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「脳卒中にならないために!今日からできる脳卒中予防法」

はじめに

脳卒中は日本人の死亡原因第3位になっている疾患です。

脳の血管が詰まったり、破れたりすることが原因であることは多くの方が知っておられますが、その原因や予防法についてきちんと理解されている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、脳卒中の原因と今日からすぐに始められる予防法についてご紹介します。

 

脳卒中とは?

「脳卒中」は脳の血管が詰まったり、破れたりして起こる疾患の総称です。

脳は全身の運動や感覚を司る中枢になっているので、脳の血管が詰まったり破れたりすることで異常をきたすと脳の細胞が壊死し、全身の機能が著しく低下してしまいます。

 

脳卒中はいくつかの種類に分類されます。

脳の血管が詰まることで脳細胞の一部に血液がいかなくなってしまうのが「脳梗塞」、脳の微細な血管が破れるものが「脳出血」、脳動脈にあるコブが破裂してくも膜という脳を包む膜の内側に一気に出血が拡がるのが「くも膜下出血」です。

それぞれ、脳のダメージを受けた場所や程度の違いにより生死や機能障害の内容が異なってきます。

 

脳卒中の原因は?

脳卒中の原因についてご説明します。

 

■動脈硬化

血管は、本来ゴムチューブのように弾力がありますが、年齢とともに弾力が低下して硬化していきます。

この現象は加齢による影響もありながら、高脂質な食生活によって血液内の油や脂肪(コレステロール)が多くなりこれらが血管壁にこびりついて血管壁が厚く硬くなってしまうことでも起こります。

また、糖分の摂り過ぎによっても血管が傷つき、硬くなってしまいます。

そうすることで、血液の通り道が狭くなって脳梗塞になりやすくなったり、血管が破れて脳出血を起こしやすくなります。

 

■高血圧

心臓から排出される血液量が多くなったり、動脈硬化で血管の弾力が低下して血液が流れることに対する血管の抵抗力が強くなると慢性的に血圧が高くなります。

血圧が高くなると血管壁にかかる圧も大きくなり血管の内壁が傷つきやすくなるので、血管が詰まったり破れやすくなります。

これらのことからも動脈硬化と高血圧は切り離せない悪循環を生むことになります。

 

■脳動脈瘤

動脈瘤とは、血管の一部分がコブのように膨れ上がったものです。

これが脳の血管にできたものを「脳動脈瘤」と言い、破裂するとくも膜下腔に一気に出血が拡がります。

動脈瘤は血管における遺伝子レベルの奇形なので遺伝的要素が大きく、生まれてからの行動や生活習慣によってコントロールされるものではありません。

ただし、「多発性嚢胞腎」という腎臓の疾患に罹患している方は動脈瘤ができやすいという傾向があるようです。

いずれにしても、動脈瘤の存在自体が脳卒中の原因になるわけではなく、それが破裂することで脳卒中の重篤な症状を引き起こします。

動脈瘤が破裂する原因としては、一般的な脳卒中と同じ高血圧などが大きく関与しますので、脳ドックなどで脳動脈瘤の存在が分かった場合には動脈瘤のない方以上に血圧管理などに気を付ける必要があります。

 

脳卒中の予防法

脳卒中を予防するために心がけていただきたいことをご紹介します。

 

■血圧やコレステロールをコントロールする

脳卒中は、高血圧や高コレステロールとの因果関係が強い疾患ですので、血圧やコレステロールをコントロールすることで、発症リスクを軽減することができます。

中年以降はどちらも数値が上がる方が増えるので定期的に血圧やコレステロール値を測るようにし、ご自身の状態を把握することで早めの対応が可能になります。

生活習慣を見直しても血圧やコレステロール値が正常値よりも高い状態が続く場合は、服薬などによるコントロールを行う必要がある場合もありますのでかかりつけ医に相談してみましょう。

 

■塩分や脂肪、糖分控えめの食生活をする

高血圧や高コレステロールを予防するためには食生活が最も大切です。

濃い味が好みで塩や醤油、みそ、ソースなどを多量に使った塩分過多の食事は血圧上昇のもとになります。

脂肪分の多い肉やマヨネーズ、バター、卵といった製品を多量に摂取するとコレステロール値上昇のもとになります。

いずれも健康のために最低限必要な食の要素ではありますが、過剰摂取にならないように注意しましょう。

また、糖分のとりすぎは血管を硬くして動脈硬化を引き起こす原因となってしまいます。

お米やパンといった炭水化物、甘いお菓子の食べ過ぎは控えるようにしましょう。

 

■適度な運動を行う

適度な有酸素運動は血糖値、血圧、コレステロールといった脳卒中のリスクになる値を全て下げ、余剰コレステロールを回収してくれるHDLコレステロール(善玉コレステロール)値を上げます。

有酸素運動とは長時間継続可能な強度の運動のことで、ウォーキングやランニング、水泳、自転車などが含まれます。

有酸素運動を効果的に行う目安としては一週間の合計が150分以上となるように運動を行う必要がありますが、30分の運動を週に5日でも、50分の運動を週に3日でも構いません。

それでも、この運動をずっと継続しようと思うと億劫になってしまう方もおられるかもしれませんが、一日30分の運動を10分ずつ3回に分けて行っても構いません。

通勤や買い物などの移動をウォーキングに変えるなど始めやすいことから始めてみてください。

 

■リラックスできるような趣味を持つ

過度のストレスや疲労は、血圧上昇など脳卒中のリスクを高める傾向にあります。

短期的なものであればあまり支障はありませんが、人間関係や過労など長期的に続くものであれば回避することも考えましょう。

また回避できない場合でも、旅行や買い物、読書やスポーツなどでストレスを発散できればうまくストレスを解消することができます。

自分なりにリラックスできるような趣味を持つようにして肉体面、精神面をうまくコントロールできるように心がけましょう。

 

■アルコールは適量とし、禁煙する

アルコールや喫煙は動脈硬化の原因となります。

アルコールについては適量の摂取であれば支障ありませんが、深酒は避け(一日一合までが目安)、休肝日を作るようにしてうまく付き合うようにしましょう。

喫煙についてはリラックス効果など本人にとってはメリットもあると考えがちですが、健康のためには害になることばかりですのでできるだけ早期に禁煙することをおすすめします。

 

■定期的に脳ドックを受ける

どんなに上に述べたような生活習慣に気を付けても、不運にも脳卒中を発症してしまう方はおられます。

それでも早期発見ができるかどうかによって予後も大きく変わりますので、中年以降は定期的に脳ドックを受け異常に早く気付くことのできる環境を作りましょう。

 

おわりに

今回は、脳卒中の原因と予防法についてご紹介しました。

今までの生活習慣を変えることはなかなか難しいかもしれませんが、脳卒中になってしまってからの症状や後遺症に対するリハビリを考えると予防することの方が簡単であることは明らかです。

行事や仕事などもあり完璧な生活を送り続けることは難しいですが、ご自分の生活の中で脳卒中のリスクになりそうなことを一つずつ減らしていくだけでも効果はあると思いますので、できることから始めてみてください。