リハラボ

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リハビリでのパーキンソン病歩行訓練

はじめに

パーキンソン病の歩行練習と言えば、ラダーや横線を用いた視覚誘導型の歩行練習やメトロノームを利用した聴覚誘導型の歩行練習が主となっているのではないでしょうか。

どの練習もその手段を用いている間は多少歩きやすくなっているのですが、その線や音の手掛かりが無くなってしまうと元に戻ってしまうことを多く経験します。

パーキンソン病は進行性の疾患であり、姿勢調節、筋強剛等段々と動きにくさは増していく疾患です。

しかし、円背位で短縮した筋肉の調整であったり、筋骨格系のアライメントを調整した中での運動など病態に隠れた廃用的な部分では改善や維持できる部分も少なからずあるのではないでしょうか。

そこで、姿勢調整や重心移動の点を強調した歩行練習に関して提示していきたいと思います。

 

まっすぐ立つ(2足直立立位)

パーキンソン病が進行してくると円背位となり腹筋群や股関節屈筋の短縮が目立ち、脊柱起立筋が伸張性の筋弱化を示してきます。

そのような形で立位を取ると重心は前足部に移ってしまい突進傾向や小刻み歩行が強まってしまいます。

そのため、座位や臥位の中で体幹をしっかり伸ばし立位を取った際に踵上に重心位置が来るように立位を取れるようにすることが大切です。

パーキンソン病の患者さんに限りませんが歩行時に1側支持しステップしていくためにこういった視点は大切になってきます。

 

横歩き

左右への重心移動を練習することによって、歩行時の1側で支えていく感覚を学習します。

胸郭や骨盤等から誘導し、なるべく体幹が伸展位を保てる中でステップ練習していくと良いです。

2 腰幅くらいに足を開き両足でしっかり立ちます。
②1側に体重を移し、他方を横にステップします。この際に、つま先が横を向かずまっすぐ前を向くように注意します。

3 ステップした足が地面についたら、その足の上に重心を乗せるイメージを持ちながら、もう一方の足を寄せていきます。
④①~③を繰り返します。

4 片方へ決めた距離を進んだら、今度は同じ要領で反対側へ戻ります。

 

後ろ歩き

パーキンソン病は、体幹前傾し、突進用歩行で、立位では前足部に重心がかかっている場合が多くあります。

そこで、後ろ歩きの中で踵上にしっかり重心を乗せていく練習が効果的です。この際体幹をしっかり起こした中で1歩ずつ止まりながら行うと効果的です。

①腰幅くらいに足を開き両足でしっかり立ちます。

②1側に体重を移し、他方を後ろに下げます。この際、支えるのが苦手な方の足を支持側にすると良いです。

③後ろに下げた足はつま先から地面に着き、ゆっくり踵をおろしていきます。この際、前かがみにならないよう注意します。

④後ろに下げた足の踵が地面に着き、その足でしっかり支えられることを感じたら次に反対側の足を同じように後ろに下げてきます。

 

片脚立位

パーキンソン病では関節を大きく、早く動かすことも難しくなってきます。

そこで、立位バランス練習も合わせ、階段や高めのステップ台、可能であればプラットフォームへのステップ等効果的です。

その際に意識することは、支持する側の足でしっかり立つ、重心は支持側に残したままステップ台に反対側の足を乗せていくことです。

あくまで片脚で支えつつ下肢を大きく動かす練習です。

この時も体が大きく前傾しないように注意が必要です。

 

まとめ

パーキンソン病の病態を考慮した歩行練習をいくつか提示してきました。

パーキンソン病の歩行というと、視覚誘導や聴覚誘導的な練習が多いと思いますが、それらを上手く取り入れながらまずは運動療法としてしっかり患者さんの姿勢や動作パターンを考えながら練習することが大切です。

経験則ですが、今までリハをやってこなかったパーキンソン病の患者さん等は廃用の要素の部分も大きいので、病気の進行は止められませんが、廃用部分での回復は見られることも多いです。

是非、参考にして実施してみてください。