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リハビリにおけるマッサージの効果とは?やり方とメリット

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はじめに

マッサージとは施術者の手指や手掌を利用して体表をさすったり圧を加えたりする手法です。

一口にマッサージといっても手法や効果は様々であり、筋肉のコリや緊張緩和を目的としてマッサージ専門店で行われることもありますが、リハビリの一環として病院や治療院で行われる場合もあります。

そこで今回は、リハビリにおけるマッサージについてやり方や効果、注意点をご説明します。

 

 

マッサージの種類とやり方

マッサージには様々な方法があり、目的や行う部位によってやり方を変えて行います。

ここでは、基本的なマッサージの種類とやり方についてご説明します。

 

軽擦法

軽擦法はほとんど圧を加えずに掌や手指で軽くさすったりなでたりする方法です。

この方法でマッサージにより与える刺激は最も浅層の皮膚組織までがほとんどで、皮下脂肪の深層にある筋肉まで刺激を与えることはほぼありません。

マッサージの最初や最後に行われることが多く、目的とする筋肉の末梢から中枢に向かって数回行います。

 

揉捏(じゅうねん)法

揉捏法は手指や手掌部、手根部などを使って適度な圧を加えながら動かし、揉む方法です。

皮膚組織や皮下脂肪の深層にある筋組織に十分効果を与えられる方法です。

さらに圧を加えたいときには前腕などを使う場合もありますが、比較的強い刺激になるので、筋肉が弱くなっている高齢者や外傷後の方のリハビリの際には筋肉を傷めないように注意する必要があります。

 

強擦法

強擦法は軽擦法と揉捏法を合わせたような手技です

母指などを使い、軽擦法よりもやや強い圧を加えながら線や円を描くようにさすります。

マッサージの中では軽めの手技になりますが、軽擦法よりも筋肉自体に刺激を加えることができます。

 

圧迫法

圧迫法は手指や手掌、主根などを使って目的とするポイントに対しゆっくり徐々に圧をかけるように押し、また徐々に圧を弱めていき離すという動きを繰り返す方法です。

圧が弱すぎると効果が十分に出ず、強すぎると痛みを伴って筋肉を傷めてしまうことがありますので、受け手の筋肉の硬さや圧迫されているときの感覚をしっかりと確認しながら行うことが重要です。

 

巧打法

巧打法は手指や手掌を使って体表面を一定のリズムで叩く手技です。

強すぎて痛みを伴うと受け手の身体が無意識に緊張してしまうので心地よくリラックスしながら受けることができる強さで行うことがポイントです。

 

振せん法

振せん法は受け手の目的とする上下肢の先端を施術者が把持し、脱力させた状態でゆする手技です。

他にも目的とする場所に手掌や主根部を軽くあてた状態でゆするように手を動かすという方法もあります。

受け手がしっかりと脱力できていないと筋肉をゆすることができないので、把持の仕方や触れ方など受け手が心地よくリラックスできる環境をつくることが重要です。

 

リハビリにおけるマッサージの効果

リハビリにおいてマッサージを行うとどのような効果が期待できるのかご説明します。

 

循環促進

マッサージを行うことでその周辺の血流やリンパの流れなど循環が促進されます。

長期臥床や骨折の固定後、リンパ浮腫など循環が悪くなって浮腫みが出ている部位に対してマッサージを行うことで循環が促進されて浮腫みが改善したり、筋肉や皮膚など不動によって硬くなってしまった組織の柔軟性改善につながります。

また、手術後の術創や外傷後の瘢痕といった皮膚に対しても循環が促されることで治癒を促進する効果が期待できます。

 

疼痛改善

お腹が痛いときにお腹をさすりたくなるように、軽擦法を中心としたマッサージで痛みを感じにくくするという効果があります。

また、筋肉のコリや周囲の組織の硬さが原因となっている痛みの場合にはマッサージを行って血流が改善したり組織が柔らかくなることで運動時痛や安静時の重だるい痛みが軽減するという効果があります。

 

可動域改善

運動器(手足など身体を動かすための部位)の外傷による固定後や手術後は、筋肉、皮膚、靭帯、関節包といった周囲の軟部組織の柔軟性が低下して関節可動域制限が出現することが多々あります。

マッサージを行うことで軟部組織が柔らかくなり、可動域の改善につながります。

 

筋力発揮の促通

筋肉が本来の力をしっかりと発揮するためには、筋肉の収縮および弛緩がスムーズにできる状態でなければなりません。

不動により短縮したり、柔軟性が低下している筋肉に対してマッサージを行うことで血流がよくなり、筋温も上がるので伸び縮みしやすくなります。

その結果、筋力発揮がしやすくなるので動作がスムーズになり、リハビリも順調に進むようになります。

 

精神的な緊張緩和

マッサージの受け手が触られて心地よいと感じるペースや強さのマッサージは精神的な緊張の緩和につながります。

脳血管障害やパーキンソン病などの神経系の疾患を有する場合は、特に精神状態によっても動作のスムーズさが左右されますので、緊張が高い状態であるときはマッサージを行うことも効果的です。

ただし、心地よくリラックスできるペースや強さは個人によって異なり、これとは逆に強く速くさするようなマッサージは交感神経を刺激して興奮状態にさせるという作用も持ち合わせています。

そのようなマッサージはスポーツ競技の試合前などには適していますが、上記したような疾患の方のリハビリでは不向きな場合もありますので十分注意して行って下さい。

 

リハビリにおけるマッサージの注意点

マッサージはリハビリの一環としてとても有効な手技ですが、それだけに注意が必要な状態や疾患もあります。

リハビリ内でマッサージを取り入れる場合には、以下の点に注意して行って下さい。

 

・基本的に受け手が不快や痛みを感じるマッサージは行わない。やむを得ず、痛みを伴う場合はきちんと施術者は必要性を説明し、本人の理解を得てから行う。

・骨折や捻挫、筋腱の断裂など関節や周囲の組織に急性期の炎症がある場合には行わない。

・皮膚に治癒していない創傷がある場合は行わない。

・感染症の疑いがある場合には行わない。

・脳血管障害など中枢神経系疾患の急性期や反射性交感性筋ジストロフィーを有する場合にはマッサージの適応があるかどうか注意深く検討が必要である。

・関節弛緩性があり、軟部組織の短縮によって安定性が維持できているものに対しては注意が必要である。

 

おわりに

今回は、リハビリにおけるマッサージのやり方や効果、注意点についてご説明しました。

施術者がきちんと患者様の状態を把握し、適応がある部位に適切なマッサージを行うことができれば、動作が楽に行えるようになったり、持っている能力を発揮しやすくなったりと大きな効果が期待できます。

正しい知識と技術を持ち、より安全で効果的なリハビリを行うために施術者の方もマッサージを受ける方も今回の内容を役立てていただけたらと思います。