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「下肢体幹のリハビリならスクワットが万能!正しいやり方と効果」  

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はじめに

「スクワット」はトレーニングやリハビリを目的として行われている基本的なトレーニングで、下肢体幹の筋力をバランスよく総合的に鍛えることができます。

しかし、一口にスクワットと言っても正しい効果的なフォームで行えておらず、間違ったフォームで行っているがために膝や腰を傷めてしまう方もいます。

そこで今回は、スクワットについて正しいやり方とポイント、効果を詳しくご説明します。

 

スクワットとは?

「スクワット」は、下半身の屈伸運動によって重心を上下させる運動です。

膝よりもお尻が低くなるまで重心を下げる「フルスクワット」やフルスクワットの半分程度のスクワットで膝関節が45度程度になるまで曲げる「ハーフスクワット」、重心を上げるときに勢いよくジャンプしてはしゃがみ込む「ジャンピングスクワット」、片脚のみで行う「シングルレッグスクワット」などいろいろな種類があります。

 

スクワットで鍛えられる筋肉

スクワットを行うことで主に鍛えられる筋肉についてご説明します。

 

■大殿筋

臀部の膨らみとなっている最も大きい筋肉で、主な作用は股関節を伸ばすことです。

立ち上がり動作で力を発揮することはもちろん、歩行の際は股関節を後ろに引きながら地面を蹴ることで推進力を得られるため、移動機能のためにとても重要な筋肉です。

 

■大腿四頭筋

骨盤からお皿の骨まで長く伸びている太もも前面の筋肉で、主な作用は膝を伸ばすことと股関節を曲げることです。

立ち上がり、階段昇降といった動作で重要であり、長期間歩かなかったり病気などで寝ていることが長いと大腿四頭筋の筋力低下によってうまく立てなくなったり歩けなくなったりしてしまいます。

スクワットでは、大臀筋とともに大きな筋力を発揮して膝を伸ばすことで重心を持ち上げます。

 

■下腿三頭筋

ふくらはぎの膨隆となる筋肉で、主な作用は足関節を(つま先の方に)伸ばすことです。

歩行時に大臀筋とともにしっかり地面を蹴ることで推進力を得ることができ、スポーツ競技で走ったり跳んだりする際にはこの地面を蹴る力がパフォーマンス向上に直結します。

 

■脊柱起立筋

脊柱をしっかりと支えるために腰背部に脊柱に沿って走る筋肉の総称で、主な作用は体幹を後屈させることです。

スクワット動作の際には腹筋群と協調して働くことで体幹をまっすぐに伸ばし、前傾角度をよい位置に保持します。

日常生活においても強い筋力というよりは腹筋群と協調してバランスよく働くことが重要で、腰痛の予防、接触プレーのあるスポーツ競技における体幹の力強さなどに役立ちます。

 

■腹筋群

腹筋群には、腹部前面にあり体幹を前屈させる作用のある「腹直筋」、腹部両側にあり体幹を捻る動作を主な作用とする「内外腹斜筋」、最も深部にありコルセットのように腰部から腹部に巻きつくように走行することで腹圧を高めて体幹を安定させる作用のある「腹横筋」があります。

どのような動作においても腹横筋がしっかりと機能していることで、自前のコルセットができ体幹がぐらぐらすることなくしっかりと安定します。

また、腹横筋が機能しているうえで腹直筋や腹斜筋が脊柱起立筋と協調して働くことで、体幹を安定させるだけでなく自在に動かすことができます。

 

スクワットの正しいやり方

ここでは、最も基本となる「フルスクワット」の正しいやり方をご説明します。

 

1.足を骨盤の幅に広げ、両足を平行にしてつま先が進行方向を向くかやや外向きにします。手は身体の横に自然に置いておくか、頭の後ろに組む、もしくは腰の後ろで組むようにします。

2.ゆっくりと股関節、膝関節を曲げて重心を落としていきます。

3.太ももが床と平行になる程度まで重心が下がったら、ゆっくりと開始肢位まで戻ります。

 

スクワットのポイント

スクワットを安全に効果的に行うためのポイントをご紹介します。

 

■重心の位置は前後しない

重心を下げていくときに股関節ばかりが曲がり膝関節が曲がっていないと重心は前方に移動し、膝関節ばかりが曲がり股関節が曲がっていないと重心が後ろに移動します。

そうすると必要な筋力がバランスよく鍛えられないだけでなく、膝関節に負担がかかり傷めてしまうおそれもあります。

よって、股関節と膝関節は常時同じくらい曲げるようにし、重心が真下に下りていくようにすることがポイントです。


■つま先と膝の向きをそろえる

つま先と膝関節の向きがそろっていないと、膝関節に捻られる負荷が働いてしまい、半月板や靭帯を傷めてしまうリスクが高まります。

つま先が進行方向を向いているときは膝も進行方向、つま先がやや外側を向いているときは膝もやや外向きにして四股を踏むようなフォームで行うようにしましょう。

 

■背筋を伸ばした状態を保つ

重心を下げる際に背中や腰が丸まったり反り過ぎてしまうと、腰痛を引き起こしたり腹筋や背筋に力が入りにくくなり重心の位置が定まりにくくなってしまいます。

重心を下げる際に股関節を曲げることで体幹は前傾することになりますが、背筋は伸ばした状態を維持したまま動くようにしましょう。

 

スクワットの効果

スクワットを行うことで得られる効果をご説明します。

 

■下半身の筋力強化

スクワットでは、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋などの下半身の抗重力筋(重力に逆らって立つための筋肉)を中心に下半身の筋力を総合的に鍛えることができます。

下半身の疾患や外傷、長期臥床による筋力低下に対するリハビリで歩行や立ち座り、階段昇降といった日常生活に必要な筋力をつけるために効果的です。

また、多くのスポーツ競技では走ったり跳んだりすることや他者と競り合ったりすることで下半身の筋力が必要になります。

スクワットによってジャンプ力や踏ん張る力をつけることでパフォーマンスの向上につながります。

 

■体幹の安定性向上

正しいフォームのスクワットでは、背骨が丸まったり反ったりという動きはほとんどなく、膝と股関節を曲げることによって背筋はまっすぐに伸びたまま体幹が前傾するという動きになります。

そのためには体幹を安定して支えるための腹筋や背筋が協調して働いていなければならず、動きにともなってそのバランスがくずれてしまうと重心を上下する際に体幹がふらつき、背中や腰が丸まってしまったり腰が反り過ぎたりしてしまいます。

よってスクワットを正しいフォームで行うように意識することで、体幹の安定性も身につき、体幹が安定することでスポーツ競技においても俊敏性や動きの正確性が向上します。

 

■腰痛や膝痛の予防

スクワット動作は、椅子からの立ち座りや階段昇降、床の物を拾ったり持ち上げたりする日常生活動作に多々含まれています。

日々の動作の中で腰痛や膝痛になりやすいような動作をしている方が正しいスクワット動作を習得し、日常生活に反映することによって負担が軽減して腰痛や膝痛の予防・改善につながります。

 

おわりに

今回は、下半身トレーニングの王道である「スクワット」について正しいやり方やポイント、効果をご紹介しました。

同じトレーニングでも正しいフォームでできているかどうかや鍛えられている部位がどこなのか意識できているかどうかによって効果がかなり変わってきます。

また、安全性についてもしっかりと把握していなければトレーニングによって関節や筋肉を傷めてしまうことがありますのでしっかりと正しい知識を持って行うようにしてください。