リハラボ

知っておくと役に立つリハビリの知識を紹介

確認したい脳卒中リハビリ時の早期離床基準

新年度になり、各職場にも新人が入職したり、配置換えなどで新たなステージで働く人も多い時期だと思います。患者さんの安全を確保し、最適なリハビリを提供する上でも、新人を教育する上でもリハビリ時の離床基準に関して再度確認しておくことが必要ではないでしょうか。
今回は、どのPTも対応することが多いであろう脳卒中の早期離床基準に関して、確認していこうと思います。

【一般原則】
意識障害が軽度(JCS10以下)で、入院後24時間神経症状の増悪がなく、運動禁忌の心疾患の無い場合に離床開始する。

【脳梗塞】
入院2日までにMRI/MRAを用いて、病巣と病型の診断を行う
・アテローム血栓性脳梗塞:MRI/MRAにて主幹動脈の閉塞ないし狭窄が確認された場合、進行型脳卒中に移行する可能性があるため、発症から3~5日は神経症状の増悪が起こらないことを確認して離床開始する。
・ラクナ梗塞:診断日より離床開始する。
・心原性脳塞栓症:左房内血栓の有無、心機能を心エコーにてチェックし、左房内血栓と心不全の徴候がなければ離床開始とする。経過中に出血性梗塞の発現に注意する。

【脳出血】
発症から24時間はCTにて血腫の増大と水頭症の発現をチェックし、それがみられなければ離床開始す
る。
・脳出血手術例:術前でも意識障害が軽度(JCSにて10以下)であれば手術翌日から離床開始する。

【離床開始が出来ない場合】 
ベッド上にて拘縮予防のためのROM訓練と筋力強化は最低限実施する。

【血圧管理】
離床時の収縮期血圧上限を、脳梗塞では200~220mmHg、脳出血では160mmHgと設定し、離床開始
後の血圧変動に応じて個別に上限を設定する。

【脳卒中の離床基準まとめ】
今回、脳卒中の病態別に離床基準に関して確認してきました。今回、記載した基準は、あくまで教科書的な部分であるので、詳細は各病院、施設の基準を参照してください。各患者さんの病態や年齢によっても離床基準は異なると思うので、医師や看護師とよく相談しながら患者さんの個別性に応じた安全な早期離床を実現してください。

【参考文献】
理学療法リスク管理マニュアル第2版 三輪書店