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「強い体幹でケガも予防!体幹トレーニング徹底解説」

はじめに

体幹トレーニングは腹筋や背筋を中心に身体の胴体部分を鍛えるトレーニングでスポーツ競技者から一般の方まで行われているトレーニングの一つです。

体幹トレーニングには色々な方法がありますが、その必要性やポイントをきちんと理解した上で行うことでより効果が高まります。

そこで今回は、体幹トレーニングについて体幹を鍛えるメリットやトレーニングの方法、ポイントを解説していきます。

 

「体幹」とは?

「体幹」とは、文字通り体の幹の部分を言います。

体幹の定義は場合によってやや異なりますが、一般的には手足(四肢)と頭頸部を除いた胴体部分を指すことが多いです。

一方、体幹を機能面で考え、この胴体部分を支えるために機能している横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の4つの筋組織のみをまとめて体幹(インナーユニット)とすることもあります。

近年、「体幹トレーニング」という言葉を多くの方が耳にしているように、スポーツ競技におけるパフォーマンス向上を目的としたトレーニングや腰痛の改善など健康を目的としたリハビリやトレーニングとして体幹トレーニングが重要視されています。

 

体幹を鍛えるメリット

体幹トレーニングを行う前に、体幹を鍛えるメリットを理解しておきましょう。

 

■四肢の筋力発揮向上

人間の手足は体幹部分に対して、肩関節、股関節を介してついています。

手足を動かすときに基盤となる体幹が安定していないと、末端である手足の筋肉は十分に力を発揮できません。

実際に、手足それぞれの筋力トレーニングを行うことなく体幹のトレーニングを行うことで手足の筋出力が向上する場合は多々あり、重量物持ち上げなどの競技力向上につながります。

 

■瞬発力の向上

ダッシュや切り返しなど瞬発的な動きでは、体幹を安定させることが必要になります。

体幹を一つの個体としてしっかりと固定し、四肢を素早く動かすことで全身を行きたい方向に速く運ぶことができます。

体幹トレーニングによって体幹を固定する機能が高まり、瞬発力の向上につながります。

 

■動きの安定性向上

手足を動かす際に、体幹の動きが定まらずぶれてしまうと手足の動きも正確性が低下してしまいます。

弓道などフォームの正確性が必要になる競技においては体幹トレーニングを行うことによって、四肢の動きが正確になりパフォーマンス向上につながります。

 

■腰痛をはじめとしたケガの予防

歩行などの日常的な動作から、バレーボールのアタック動作やサッカーでボールを蹴る動作などスポーツ動作におけるまで股関節を後ろに引きあげたり、肩関節を大きく振り上げる動作を行うと連動して腰が反りやすくなります。

逆に股関節を前に振り出したり、肩関節を下に振り切ると連動して腰が曲がりやすくなります。

そのような連動は必要なことではありますが、体幹を固定する力が弱く四肢の動きに伴って過剰に体幹が動いてしまうと腰に負担がかかり腰痛の原因になります。

体幹をしっかりと固定する力を養うことで四肢が動いても体幹がぶれない身体ができ、腰痛の予防につながります。

 

体幹トレーニングの方法

体幹トレーニングには様々なものがあります。

それぞれのトレーニングは難易度や目的が少しずつ異なるので、ご自分のレベルや目的に合わせて行ってみてください。

 

■ドローイン

体幹トレーニングの中で最も基本的なトレーニングです。

腹横筋を中心にインナーユニットと呼ばれる筋肉は、普段の生活の中で意識的に使うことが少なく、改めて意識してみてもなかなか収縮させるのが難しい場合があります。

体幹トレーニングを始める方はまずこのドローインから始め、しっかりと腹横筋の使い方を習得してください。

 

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
2. 息を吸った時にお腹を膨らめ、吐くときにお腹をへこませる腹式呼吸を行います。
3. 腹式呼吸に慣れてきたら腹式呼吸で息を吐き切り、しっかりとお腹をへこませます。
4. お腹をへこませた状態を維持したまま今度は胸式呼吸(胸が動く呼吸)に切り替えて10~30秒呼吸を続けます。
 

ここでのドローインは仰向けに寝た状態で行っていますが、慣れてきたら座ったり立った状態でも行えるようにしていきましょう。

ドローインが体幹トレーニングを行う上での基本姿勢であり、ドローインした状態を維持したまま四肢を動かしていくということになります。

 

■プランク

インナーユニットを機能させたうえでその他の腹筋群や背筋群、手足の筋肉も使い、体幹をよい状態で安定させるトレーニングです。

 

1. 肘を90度に曲げ、両方の肘から手首を平行にした状態で肩幅に開いて床につきます。
2. 足はつま先だけが床につくようにして身体を横から見た時に肩から足首までが一直線になるように浮かします。
3. 呼吸を止めることなく、その状態が崩れないように30秒から60秒(慣れるまでは10秒から)維持します。
 

肩に力を入れすぎず、お尻がつきでたり腰が反った姿勢にならないように意識してください。

筋力的に難しい方は、つま先ではなく膝を床について膝から下を曲げて浮かしておくようにすると難易度が下がります。

その場合は、肩から膝までが一直線になるようにしてください。

 

■サイドプランク

腹横筋を鍛えるトレーニングで、ドローインよりも強度の高いトレーニングです。

ドローインやプランクができるようになってきたら、挑戦してみましょう。

 

1. 床に横向きに寝るようにし、下になる方の肘を曲げて肘から先を床につきます。
2. 上から見た時に、肩から足首が一直線になるようにし、下になっている方の足の側面と肘から先だけが床につくように腰を浮かします。
3. 呼吸を止めることなく、その状態が崩れないように30秒から60秒(慣れるまでは10秒から)維持します。
 

慣れるまでは自身でフォームを確認するのが難しいので、鏡の前など自身が見えるようなところで行うようにしてください。

 

■アームレッグクロスレイズ

プランクやサイドプランクでは体幹を良姿勢に保持することを目的としてきました。

しかし、日常生活動作やスポーツ競技中は手足の動きが入ってくることが常であり、体幹を良姿勢に保持したままで手足が動かせるようにならなければ実用的とは言えません。

アームレッグクロスレイズでは、体幹を良姿勢に保持したまま手足を動かす練習を行います。

 

1. 両肩の真下に両手、両股関節の真下に両膝をつくようにして四つ這いになります。
2. 背骨は丸まり過ぎず反り過ぎず、まっすぐな状態にし、ドローインします。
3. 背骨をなるべく動かさないように意識しながら、ゆっくりと片手と反対の下肢を肩および股関節からあげ、前後に伸ばします。
4. 手と足を元の位置に戻したら、今度は反対の手と足をあげます。
5. この対角線上の手足を動かす動きを繰り返します。
 

手と足を同時に動かすと体幹が崩れてしまう場合は、まずは手のみ足のみで一つの四肢ずつ動かすようにして難易度を下げましょう。

逆に基本のやり方に慣れてきたら、上げた手足の肘と膝を身体の前で引き付けるように近づけてから床に戻すようにすると難易度があがります。

また、ゆっくりの動作に慣れてきたら少しずつスピードアップしてそれでも体幹が崩れないようにステップアップしてみてください。

 

おわりに

今回は、体幹トレーニングについてその意義や方法をご紹介しました。

今までなんとなく体幹トレーニングを行ってきた方もこれから始めようと思っている方も、その必要性やそれぞれのトレーニングの目的をしっかりと意識していただき、十分な効果をだせるよう参考にしていただければと思います。