リハラボ

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運動と心理学―キツい運動を楽しく続けるには、ツラい瞬間こそ笑顔で!

分かっているけど続かない…

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生活が便利になればなるほど、その恩恵で移動も家事もラクになってありがたいですよね。

でもそのぶん、現代人の運動不足は深刻です。特に、お仕事がデスクワーク中心だったり、立ちっぱなしだけどあまり動き回ることのないような人の生活の中では、歩いたりしゃがんだりする機会がかなり減っていて、筋力が低下してたり、姿勢が悪くなったりしている人もたくさんおられます。

日々の運動不足を解消するために、フィットネスジムに通ったり、空いた時間にトレーニングやランニングなどをして、スタイルや健康の維持に努めておられる方が増えている一方、忙しい毎日の生活の中に、運動習慣を取り入れることを難しく感じておられる方も、決して少なくないでしょう。

こんな生活を続けていては不健康だし、見た目もカラダの中身もどんどん衰えてしまう!運動しなければ!と思いたった時、どうしたらそれを実行に移して、しかも継続することができるでしょうか?

今のところ運動が好きなわけでもなく、運動を続けようと思ったら、わざわざ時間を割かなければならないとなると、重い腰がますます重たくなってしまいますよね。

やっぱり諦めてしまおう…という境地から、カラダを動かしたい!運動って楽しい!と思えるようになるって、絶対無理、なんでしょうか?

 

運動への苦手意識を克服したい!

そんなことはありません!ここで諦めてしまわなくても大丈夫です。

かくいう筆者も、社会人になるまで運動は苦手で、体育の授業はあまり好きではありませんでした。

大人になってから、このままではいけないと、心を奮い立たせてフィットネスジムに入会しても、2、3回行っただけで、あとは月会費を振り込むだけの日々を過ごしていたこともありました。

ところが今となっては、週4日以上も仕事帰りにジムで汗を流していますし、それがものすごく楽しいのです。

もちろん筋トレや、エアロビクスなどの有酸素運動をしていると、すごくしんどい瞬間は必ずありますし、疲れがたまっている時には休みます。

次の日に筋肉痛になって、駅の階段で脚がギシギシいっている朝もあります。

それでも、四年近くもジムに通い続ける習慣を続けてこられたのは、きつい運動中をも自分に楽しく感じさせて乗り切れるよう、ある工夫をしてきたからなんです。

 

とはいっても、決して怪しい方法ではありません。心理学で提唱されている理論を、自分が苦手な運動をする時の感情に応用してみたところ、すごくうまくいったのです。

もしかしたら同じように、運動した方が良いのは分かっているけれどなかなか…という方のお役にたてるかもしれません!

 

心理学から知る、心と身体の関係って?

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運動からは少し離れますが、みなさんは、人間は「悲しいから泣く」と思われますか?

それとも、「泣くから悲しい」のでしょうか?

なんとなく「悲しいから泣く」のではないだろうかと思えるかもしれませんね。

心理学では、こうした喜怒哀楽のような、体の活動に影響を与えるような心の動きを情動といい、この情動を説明するのにいくつかの理論が提唱されています。

このような理論はいくつかありますが、とくに有名なものが3つあります。

情動の末梢起源説、情動の中枢起源説、情動の2要因説の3つです。

今回はこの中から、情動の末梢起源説、情動の中枢起源説について簡単にご紹介して、きつい運動を楽しく乗り切るヒントをお伝えできたらと思います。

それでは、ひとつずつみていきましょう!

 

情動の末梢起源説

情動の末梢起源説(ジェームズ・ランゲ説)

この説は、ジェームズさんとランゲさんが提唱されたもので、別名ジェームズ・ランゲ説といいます。

ジェームズさんは心理学の世界では超有名人で“人間は幸せだから歌うのではない。歌うから幸せになるのだ”とか“心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。”などの名言を残されています。

この説によれば、まず初めに身体が活動したり反応したりすることによる生理的変化が起こり、その変化を脳が感じることで情動が発生します。

この身体の生理的変化というのは泣くとか笑うという、身体的な活動の変化のことをさしています。

「末梢起源説」のなかの「末梢」という言葉は、末梢神経系のことをいっているのですが、これは脳と脊髄といった中枢神経系に対する言葉で、末梢神経は外部から中枢への情報入力、また筋肉など効果器官への中枢からの出力を担っています。

一般的に考えられる「情動をもとに生理的変化が生じる(悲しいから泣く)」とは逆の理論ということができます。

 

情動の中枢起源説

情動の中枢起源説(キャノン・バード説)

この理論は、キャノンさんとバードさんによるもので、外部情報により脳の視床が活性化し、そこから身体反応と情動が同時に発生するという説です。

この説では、からだの外部で何かが起こった時、その刺激の情報がまず脳の視床を通過し、そこから2つに分岐します。

情報の一方は大脳に到達し、そこで恐怖や怒りといった情動が作られます。

もう片方は脳の視床下部に到達し、そこで泣いたり怒ったりといった、身体の生理的変化を起こす命令が作られます。

身体の生理的変化を引き起こす命令が伝わる速度は比較的遅いので、恐怖や怒りを感じる情動の経験が先に起こることになる、というわけです。

この説ではつまり、大切なのは中枢神経である脳で、生理的変化より先に感情が生じるという理論です。

 

楽しく頑張れるための、心理学のヒントとは?

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少しややこしかったかもしれませんが、要するに、脳は体を動かす命令を出したり、外部の環境からの情報を最終的に受け取ったりしています。

末梢の皮膚や筋肉は、外部の情報をキャッチするセンサーの枠割を果たすとともに、脳からの命令に従って筋肉を動かし運動します。

末梢と、中枢神経がうまく協調することで、人は個体として意味のある動きを行うことができるような構造になっているのです。

心理学的には、情動の末梢起源説なのか、情動の中枢起源説なのか、決定的な結論は出ていません。

しかし、身体の変化というのが、人がどのように感じて行動するかということに大きく影響しているのは確かなようです。

 

ジムに行くことに挫折しかけていた時、この説が説明された心理学の本を読む機会があり、その時ふと思いました。

運動していてきついとか、イヤだと感じている時、眉間にしわが寄っていたり、険しい表情になったりしているから、そんな表情の変化が余計に運動が嫌だと感じてしまうのではないだろうか?もしきつくてつらい時に、無理矢理でも笑顔を作ってみたら、逆に脳が楽しいと勘違いしてくれたりしないかな…顔って筋肉のかたまりだって言うし。ということで、ダメでもともと、周りの人に怪しまれない程度に実験してみることにしました。

筋トレ中はタオルで汗をふくついでに、少し表情を緩めてみたり、スタジオレッスンでもキツい場面で、仲の良いインストラクターにちょっと笑いかけてみたり(引きつっていたと思いますが…)。すると驚くことに、それまではキツくて諦めていた疲れの山を越えられたり、帰る前のシャワーの時のぐったり感が軽く感じたりするようになりました。

そして何よりも、仕事帰りにジムへ向かうことが、苦になるどころか楽しみになっていったのです。

一旦そうなってしまえばあとは順調で、自分のカラダが引き締まってきたのを目の当たりにしたり、以前は辛くて頑張りきれなかったレッスンで最後までしっかり動けるようになったりしたことを実感する、達成感を味わえてもっとがんばりたいと思える、という好循環が生まれました。

 

心が動けば身体も動く!

私のように単純な人ばかりではないと思いますが、自分の心と身体に敏感になることはとても大切なことだと思いますし、変化に気付くととても嬉しいものです。

美容と健康のためにも、普段の生活に楽しく運動習慣を取り入れられる、自分なりの工夫をしてみてはいかがでしょうか?